FiiO(フィーオ)から、ワイヤレスのオンイヤーヘッドホン「EH11」が2026年5月1日に発売されました。価格は7,920円前後(税込)で、カラーはBlack、Transparent、White、Burgundy、Cyanの5色。FiiOはDAPやヘッドホンアンプで知られる中国・広州のオーディオメーカーで、ここ最近はヘッドホンの新作も次々に出しています。
1980年代のミニヘッドホンを思わせるレトロな見た目が目を引きますが、中身はBluetooth 6.0+LDAC対応の今どき仕様。完全ワイヤレスを長く使ってきて、耳の疲れや紛失にうんざりしてきた人が、もう一度ヘッドホンに戻る選択肢として面白そうな一台です。海外レビュー、国内ブログ、Xでの言及を読んで、実際の評価をまとめました。
もくじ
FiiO EH11の基本スペックと特徴
スペック表を見ると地味な印象ですが、よく見ると8千円弱でこの内容は珍しい組み合わせです。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| タイプ | オンイヤー型・セミオープン |
| ドライバー | 40mmロングスロー(高減衰複合振動板) |
| 周波数特性 | 17Hz〜40kHz |
| Bluetooth | 6.0(LDAC・SBC対応) |
| マルチポイント | 2台同時接続対応 |
| バッテリー | 約30時間連続再生/充電約2時間 |
| 重量 | 約92g |
| 側圧 | 約1.7N |
| カラー | Black/Transparent/White/Burgundy/Cyan |
| 市場想定価格 | 7,920円前後(税込) |
木製ノブで音量と曲送りを操作する
EH11で一番目立つのは、左右のイヤーカップに付いた木製のロータリーノブです。右が音量、左が曲送り。タッチパネルでもボタン長押しでもなく、ダイヤルをカチカチ回すだけで完結します。
手袋をしていても操作できる、画面を見ずに音量を微調整できる、というのは普通に便利です。それ以上に、ノブを回している自分の手の感覚が楽しい、という声が結構あって、古いラジカセやアンプのツマミを触ったことがある世代だと特に響きそうです。
セミオープン設計で音場が広い
イヤーカップが密閉ではなくセミオープン構造になっていて、通気口とダンピングフィルターが入っています。密閉型にありがちな「耳が塞がれて音がこもる」感じが薄く、オンイヤーなのに音場が広めに聞こえる、と複数のレビュアーが書いていました。
ただし遮音性はほぼありません。電車やカフェでは外の音もそれなりに耳に入ってきます。ここは好みが分かれるところで、後ほど口コミでも触れます。
FiiO EH11が「軽いオンイヤー」のニーズに応える理由
海外のレビューを読んでいると、「オンイヤー型ヘッドホンの復権」という言い方をよく見かけます。完全ワイヤレスやノイキャン搭載のオーバーイヤーに市場が偏ったあと、揺り戻しで軽いオンイヤーが見直されている、という話です。
理由はだいたい2つあって、1つはカナル型の長時間装着で耳が疲れる問題。もう1つは、機能ではなく「触って楽しい・所有して嬉しい」道具への揺り戻しです。EH11はこの両方にうまく乗っかっています。
イメージしやすいのはこんな人で、
「完全ワイヤレスを長時間つけると耳が痛くなる。でもオーバーイヤーはカバンに入れるには大げさで、有線にも戻りたくない。1万円以下で、見た目もちょっと面白いほうがいい」
1万円以下のワイヤレスオンイヤーでLDAC対応というだけでもかなり選択肢は限られます。同じ価格帯の定番にKoss Porta Pro Wirelessがありますが、EH11はLDAC対応とセミオープン構造の音場の広さ、それと見た目の個性で別の方向に振っています。
FiiO EH11のネットの口コミ|音質・装着感・バッテリーの評判
EH11は2026年5月1日発売の新製品なので、Amazonや楽天の購入者レビューはまだほとんど集まっていません。なのでここでは海外レビュー(Headfonia、Headfonics、Mobile Audiophile、Porta-Fi)と、国内のブログやXでの言及を読み込んで傾向をまとめました。
多いのは「8千円弱でLDAC対応+木製ノブ+セミオープンが揃うのは安い」という声です。Y2Kテイストの見た目を気に入った若い層と、ウォークマンを覚えている世代の両方が反応しているのがちょっと面白いところ。一方で、ANCがないこと、プラスチックの質感、深い低音の物足りなさなど、率直に弱点を書いているレビューもいくつか目立ちました。
良い口コミ
- 92gの軽さで装着を忘れる:オーバーイヤーから乗り換えたら首と耳の負担が全然違う。長時間付けても疲れにくい
- 木製ノブの操作感が気持ちいい:音量も曲送りもダイヤルを回すだけ。スマホを取り出さずに済むのが想像以上に快適
- LDACの音がワイヤレスとは思えない:8千円以下でLDAC対応はかなり珍しい。低音の沈み込みも価格を考えれば十分
- セミオープン設計で音場が広い:オンイヤーなのに音が詰まった感じがしない。Koss Porta Proと比べても中域の聞き取りやすさで上
- マルチポイント+短い充電時間:PCとスマホの2台同時接続が地味に効く。30時間使えるのに充電は約2時間
気になる口コミ
- 遮音性はほぼない:セミオープンなので、電車内や騒がしいカフェでは音量を上げないと聴き取りづらい
- プラスチックの質感は値段なり:ヘッドバンドのスライダーなど、触ると価格相応に薄く感じる
- 深い低音はやや控えめ:細かい情報量で限界を感じる場面も。ヒップホップやEDM中心だと物足りない可能性あり
- 折りたたみ非対応で側圧は弱め:収納はそのままの形で持ち運ぶことに。1.7Nの側圧は頭が小さい人や激しく動くシーンで緩く感じることも
- 頭の形によっては長時間で耳が痛む:オンイヤー全般に言えるが、メガネをかけている人だと長時間装着で耳の上が圧迫される場合がある
口コミを読んで気づいたこと
ネットのレビューや感想を横断していて、書き手として補足しておきたいと思った点が3つあります。
ANC非搭載は、見方によってはメリットにもなる。
仕様を見るとANC(ノイズキャンセリング)は搭載されていません。完全ワイヤレスのANCに慣れている人は、最初の数日は周りの音の入り方に違和感を覚えそうです。一方で、自転車通勤や徒歩中心の人にとっては、外の音が聞こえる方が安全という見方もできます。
深い低音の不足は、アプリで補える前提で考えた方が良さそう。
海外レビューで複数の人が指摘していたのが、サブベース(深い低音)の伸びが控えめという点です。ヒップホップやEDMをよく聴く人は、最初からFiiO Controlアプリで低域を持ち上げる前提で考えた方が満足度は上がりそうです。
サブ機としての評価が中心。
口コミを横断していて気づいたのは、メインのヘッドホンを別に持っていてサブとして買う人が多いこと。1台目の本命というより、軽さやデザインを楽しむ2台目として選んでいるパターンがほとんどでした。
使うシーンで分かれる、向く環境と向かない環境
向く環境
在宅ワーク中のBGM、平日の夜の散歩、自転車通勤、休日のカフェ作業(静かめの店)、近所の買い物。
こういうシーンでは、軽さ・周りの音が聞こえる安心感・木製ノブの操作感が活きてきます。特に在宅で長時間つけっぱなしにする人は、92gの軽さが他のオーバーイヤーとは比べ物にならないくらい疲れにくく感じるはずです。
向かない環境
満員電車での通勤、騒がしいカフェ、図書館や静かなオフィス、飛行機の機内。
遮音性が必要な場所では、素直にANC搭載モデルの方が向いています。セミオープンは外の音が入ってくる分、自分の音も少し漏れるので、人が密集する場所では音量を上げづらいのもデメリットです。
FiiO EH11が向く人・向かない人
向く人
イメージしやすいのはこんな人です。
「在宅ワーク中心で、日中はヘッドホンをつけっぱなしにしている。完全ワイヤレスは耳が疲れるし、紛失も気になる。本格的なオーバーイヤーは持ち歩くのが大げさ。1万円以下で、見た目に個性のあるワイヤレスを2台目として持ちたい」
このパターンに当てはまるなら、92gの軽さ・木製ノブの操作感・5色のカラー展開がそのまま刺さります。
向かない人
逆に、毎日満員電車で1時間以上音楽を聴く人や、メイン機として1台だけ買おうとしている人には、ANC搭載モデルや密閉型のオーバーイヤーの方が満足度は高くなります。EH11はメインの相棒というより、気分転換用の2台目として使ったときに一番楽しめる製品です。
FiiO EH11を買う前に確認したい3つの注意点
1. ANCは搭載されていません。
完全ワイヤレスのANCに慣れていると、最初の数日で「あ、外の音がこんなに入るのか」と感じます。ここを許容できるかが分かれ目です。
2. LDACを使うにはスマホ側の対応が必要です。
iPhoneはLDAC非対応なので、AAC接続になります。LDAC目当てで買うならAndroid(最近のXperia、Pixel、Galaxyなど)が前提です。iPhoneでもAACで聴く分には十分実用的ですが、LDACの良さを引き出したいならAndroidとセットで考えてください。
3. 折りたたみ機構はありません。
本体は軽くてコンパクトですが、折りたためません。リュックに入れる前提なら気になりませんが、小さなバッグに収めたい場合は事前にサイズ感を確認しておくと安心です。







